重度の歯周病。できれば歯を抜きたくないのですが、どのような治療と期間や治療費はどのくらいかかるでしょうか?

 

 
重度の歯周病

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【ご質問】 
重度の歯周病だと言われました。できれば歯を抜きたくないのですが、どのような治療が可能でしょうか?また、治療の期間や治療費はどのくらいかかるでしょうか?
 

【回答】
重度の歯周病ということは、歯槽骨の破壊が51%以上進み、歯周ポケットが6ミリ以上あるわけですが、歯の根尖まで歯周ポケットがない場合は歯を保存することは出来ません。
 
歯周病進行


また、歯のまわりの骨の吸収がすすみ、隣の歯が害を受ける場合も歯を抜いたほうがいいことがあります。
 

 
しかし、ただ単に歯が大きく揺れるとか、咬むと痛くて物が咬めないとかの理由で歯を抜くわけではありません。
それらの歯でも、歯を固定したり、咬合調整をすることで、歯周病の治療を進められるかもしれません。
 
動揺のある歯は固定

 
 
 
重度の歯周病の場合は、歯周病の基本的な治療に加え、歯周外科、再生治療、歯の矯正治療といった総合的な治療とともに部分的には根管治療や補綴治療も必要になることが多いかと思います。
外科的処理

 
 

 

治療期間と金額・治療法

治療期間や金額はこれらのどの治療が行われるかによって、大きく異なります。歯周病の基本的な治療だけでも、3カ月から6カ月はかかると思いますが、歯の矯正や保険外の被せ物などの治療以外は保険診療が可能です。

 
歯茎に炎症

治療のステップは通常の歯周病の治療に準じますが、物を咬めない状態や、人前で話せないなどの状態がある場合は、まずはそれらの状態の改善を目指します。具体的には、揺れている歯の暫間固定と咬合調整を行います。
 
噛み合わせを調整
 
咬合紙で咬合調整
 
 
もし歯肉の腫れや痛みがある場合は、同時に抗生剤や痛み止めの薬を服用してもらいます。
 
さらに必要に応じて仮義歯や仮歯を作成し、咬める状態や、見た目の改善も行いつつ、急性症状がなくなったところで、歯周病治療をさらに進めていきます。
 
仮歯

 

生活習慣の見直しが重要

日本人の40歳以上の約8割がかかっていると言われる歯周病は生活習慣病のひとつに数えられていますが、歯周病の改善には、ご家庭でのケアが欠かせません。
 
 
歯磨き

 
 
歯周病は全身とのかかわりが以前から指摘され感染性心内膜炎、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、早産、気管支炎、肺炎といった病気にかかるリスクを高めると言われています。重度の歯周病であればなおさらです。
歯周病と呼吸器系

 
歯周病と心臓疾患

 
歯周病と早産

 
 
ぜひ、自分でも治すという意思をもって、ご家庭でのブラッシングにも励んでください。
 
予防歯科

 

 

お問い合わせ TEL 027-320-2418