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親知らず・歯根のう胞・つれ舌について

親知らずを抜いた話を知人から聞いたことがあるかもしれません。いざ自分に親知らずが生えてきたらどうしたらいいのか?そんな疑問にお答えします。また、虫歯が大きくなって出来た歯根のう胞って何なのか?あるいは子供のつれ舌を心配しているお母さんの疑問にもここでお答えします。

親知らずで悩んでいる方へ

一言で親知らずと言いましても、歯の部位(上か下か)や生えている方向(真っすぐに生えているのか、横に生えているのか)などで異なります。
 
親知らず生え方
 

①まっすぐに生えている場合
②親知らずが歯茎の中に埋まっている場合
③親知らずに歯茎が半分かぶっている場合

 

 また、上下の歯のかみ合わせの状態、虫歯があるかないかなどでも異なり、親知らずだからといって、全て抜く必要があるわけではありません。
 
  親知らずが、どういう状態なのか、若い 女性の場合、近い将来お子さんを作る予定があるのかどうかなど総合的に判断して処置を決めます。 (妊娠中に免疫が下がり、親知らずの状態によっては腫れたり、痛みが出たりする危険が高まります)
 
妊婦
 
 
また、一見役に立っていないように見える親知らずも、時には移植できる歯として利用できることもあります。
 
 
詳しくは 下記をご参考ください。 
患者様からの親知らずについての質問に院長が答えています。

①まっすぐに生えている親知らずの場合

 
まっすぐ生えている親知らず

 
  ・大きな虫歯や痛みがある場合
親知らずがまっすぐに生えていて、大きな虫歯があったり、痛みがあり、物がつまりやすい場合は抜くことをおすすめします。虫歯が大きく痛みが神経によるものの場合は、すぐに親知らずを抜くこともあります。腫れがある場合は、いったん抗生物質を飲んでいただき、腫れをある程度おさえてから抜きます。
 
 
 
・痛みはなく虫歯も小さい場合
噛み合う歯があって、親知らずの虫歯が小さい場合は虫歯の治療をします。噛み合う歯がない場合や親知らずがあることで、歯ブラシが上手くできず、他の歯を悪くしてしまう場合は患者さんと相談して抜くかどうかを決めていきます。
 
 
 

 ②親知らずが歯茎の中に埋まっている場合

 

歯茎に埋まっている親知らず

 

親知らずが歯茎の中にしっかり埋まっていて痛みや腫れがなく、他の歯に悪い作用を及ぼさない状態の時は抜きません。
 
親知らずが歯茎の中に埋まっていて、時々腫れたり治ったりを繰り返し、レントゲンで親知らずの歯の周りが黒くなっていることを確認出来る場合はその親知らずは抜いたほうがいいとアドバイスします。
 
もちろん、現在のお体の状態やお仕事の関係などを考慮した上で、多くは歯科口腔外科の専門医にご紹介することになります。
 

 
【口腔外科ご紹介先】
・医療法人社団美心会 黒沢病院付属 ヘルスパーククリニック
http://www.bishinkai.or.jp/healthpark/
 
・独立行政法人 国立病院機構 高崎総合医療センター
https://takasaki.hosp.go.jp
 
・群馬大学医学部付属病院
https://hospital.med.gunma-u.ac.jp
 
・医療法人社団山崎会 サンピエール病院
http://st-pierre.or.jp
 
・医療法人社団日高会 日高病院
https://hidaka02-kai.com/hidaka/
 

 
 

③親知らずに歯茎が半分かぶっている場合

 

半分埋まっている親知らず

 

・痛みが出ている時
基本的に抜くことをお勧めします。(ただし、親知らずの痛みや炎症を抑えてから抜きます。)もともと親知らずがきちんと生えるスペースがないわけですから、いったん薬で抑えてもまた歯肉の腫れが繰り返されます。
 
歯茎がほんの少しだけ被っている場合は、歯肉切除で対応出来ることもありますが、噛み合う歯がなく、咬合に関係しない場合はやはり抜くことをおすすめします。

 親知らずの移植について

 
移植

 
親知らずの移植は、少なくとも
以下の条件がクリアーされている必要があります。
 
  • 全身状態に問題がないこと

  • 移植する親知らずに大きな虫歯や歯周病がないこと

  • 移植する部位に十分な厚みと幅の歯槽骨があること

  • 親知らずが、歯根膜を傷つけずに抜去できる状態にあること

  • 移植した歯を固定する歯が近くにあること

 
 
保険適用の場合は、親知らずと移植する場所、そしてタイミングに条件がありますので、詳細はかかりつけの歯科医にご相談ください。
 
 

歯根嚢胞(しこんのうほう)について

歯の根の先にできた嚢胞(のうほう)

歯根嚢胞というのは、虫歯が適切な治療をされずに長いこと放置された場合、歯の根の先に膿が袋状にたまっている状態です。
 
レントゲン像で見ると歯の根の周辺が黒く見え、現在たとえ自覚症状がなくとも、徐々に膿が周辺組織にたまってきて、体調の悪い時や硬いものを噛んだなど他の条件が重なり急性化しますと、激痛を生じ、顔が変形するような大きな腫れや熱を伴うこともあります。
 
歯根嚢胞が小さければ歯の神経の(歯髄)の治療を行いますが、進行がひどい場合は、外科的に膿の袋と周囲の悪くなっている組織(歯の根の先の一部も含みます。)を除去します。歯を支えている部分を外科的に取るので、その範囲が大きい場合は抜歯をしなければいけません。
 
また、一見歯根嚢胞に見えるものが、レントゲン像を精査したところ歯が割れていたことが原因だったということもよくありますので、注意が必要です。
 
 
 

舌小帯短縮症(つれ舌)

舌の下、口の中に『細い紐のようなひだ』があり、舌がこれで口の中の下顎とつながっていますが、これを舌小帯といいます。
これが短いと昔は『哺乳の邪魔になるとか言葉が舌足らずになる』と言われ、乳幼児の時に切離するように言われていました。
 
舌

 
 
現在では超音波画像によって、母乳を吸うのに邪魔にならないことが分かり、乳児の時に切除することはほとんどなくなりました。 まれに舌が口の底にくっついていて哺乳に邪魔になりうるくらい短い場合は、外来でその部分のみを切離することで哺乳がよくなる乳幼児もいるとお聞きしますが、ケースバイケースのことも多く、詳細はかかりつけの産婦人科に お問い合わせ下さい。
 
 

【参考】
昭和大学病院 歯科口腔リハビリテーション科
「舌小帯短縮症と発音障害」
http://www.okuchidetaberu.com/colum/no15.html
 

 
 

お問い合わせ TEL 027-320-2418